第19回女子のための読書会は、半年ぶりに神保町の『きっさこ』さんで行いました。
コロナ対策をして超少人数での開催でしたが、今回も素敵な方達に囲まれて話がはずみ、あっというまに2時間半が過ぎてしまいました(^^)
以下、ご紹介頂いた本のリストです。
第19回 女子の読書会で紹介された書籍一覧
1. カフェ&バールをめぐるヨーロッパ (ことりっぷ海外版)
ことりっぷならではのかわいいデザインのガイドブック。ヨーロッパ中の美味しいお店や食べ物が紹介されています。コロナ禍で自由に旅行できませんが、ここに出ているスイーツや食事の名前で検索すると意外と日本でも食べられるものがあったり、売っているお店があったりするとのこと(^^)
今のこの状況下でも楽しめる方法をご紹介者さんから教えていただきました♪
旅行好きな人、女性に特におすすめです。
2. 悪医
久坂部羊
アマゾン「BOOK」データベースより
余命宣告された52歳の末期がん患者は、「もう治療法がない」と告げた若き外科医を恨み、セカンドオピニオン、新たな抗がん剤、免疫細胞療法、ホスピスへと流浪する。2人に1人ががんになる時代、「悪い医者」とは何かを問う、第3回日本医療小説大賞受賞の衝撃作。
これ以上治療を続けるよりも、残された時間をできる限り元気に、やりたいことをやって過ごすほうが良いと考える医者と、見放されたと感じる患者。すがる思いでやってきた患者に対し、自分の研究のために、患者にさまざまな治療をさせる医者。自分や家族がこの立場になったらどうするのか、考えるきっかけにもなる一冊です。
3. 歌に私は泣くだらう: 妻・河野裕子 闘病の十年
永田 和宏
歌人で細胞生物学者でもある永田和宏氏と、おなじく歌人だった妻との最後の10年間を描いたもの。歌が好きな人に特におすすめです。
アマゾン「BOOK」データベースより
その時、夫は妻を抱きしめるしかなかった―歌人永田和宏の妻であり、戦後を代表する女流歌人・河野裕子が、突然、乳がんの宣告を受けた。闘病生活を家族で支え合い、恢復に向いつつも、妻は過剰な服薬のため精神的に不安定になってゆく。凄絶な日々に懊悩し葛藤する夫。そして、がんの再発…。発病から最期の日まで、限りある命と向き合いながら歌を詠み続けた夫婦の愛の物語。第29回講談社エッセイ賞受賞。
永田和宏氏はつい先日、NHKの番組こころの時代〜宗教・人生〜に出演されていました。「コロナの時代を詠む」というタイトルで、宗教学者の釈徹宗氏との対談だったのですが、とても興味深かったです。再放送があればぜひ観てみて下さいね!
4. どんな時でも人は笑顔になれる
渡辺 和子
詳細は下記へ。
5. マイ・インターン
ロバート・デ・ニーロ, アン・ハサウェイ 出演
詳細は下記へ。
今回私が紹介した本と映画
どんな時でも人は笑顔になれる
渡辺 和子
ノートルダム清心学園理事長を勤められた渡辺和子さんの著書。
謙虚なこころを持って、毎日笑顔で過ごすためのヒントがたくさん書かれています。短い言葉でひとつひとつの章がまとまっているので、あっという間に読める本です。
私たちはよく『神頼み』をしますよね。「試験に合格しますように」「病気が治りますように」「いい人に出会えますように」など。
でも望みが叶わないことはよくあること。そんなとき、「神も仏もあるものか」とどうしても思ってしまうことがあるでしょう。
そんなときの考え方として、こう書かれています。
実は、「求めること、捜すこと、戸を叩くこと」もたいせつですが、それに応じて与えられるものを謙虚に”いただく心”のほうがよりたいせつなのです。
激しく求めただけに、その求めたものが与えられなかった時の落胆、捜しものを見つけられなかった時の失望には、計り知れないものがあります。
でも、そういう切なさ、つらさこそが、実は人間が成長していく上で「本当にたいせつなもの」「必要なもの」だったのだと、いつかかならず気づく日があるものです。
さらに、『なぜ祈るのか、祈りはかなうのか』という章では、渡辺和子さんが、『祈る』ということはどういうことなのかを深く考えた話が載っています。もし自分が祈ったことのすべてが叶えられたとしたらどうなるのか?もし2人の人が正反対のことを祈っていたら、神様はどうするのか?と。そして、このように結論付けています。
人は欲しいものを祈り願い、神様は、必要なものをくださる。
祈り続けているのに、その願いが叶えられない人は、「切なくつらい思い」をすることが必要なのだと考えてみる。
このことは、実際に今つらい思いをしている人にとってはなかなか厳しい考え方かもしれません。でも普段からこのような考え方を身につけておけば、いざそういうことが起きたときに、少しは違った見方をできるのではないでしょうか。
その他にも、いくつか抜粋してみますね。
つまずいたおかげで、弱い人を思いやることができる。
病気にならなかったら、わからないことがある。マイナスをプラスにして生きていこう。
学歴や職歴よりもたいせつなのは、「苦歴」。
これまで乗り越えてきた数々の苦しみ。気がつけば、それらは経験という宝になっている。
人生は、思うままにならないのが当たり前。
苦しまなければ人は成長しない。しかし、どんな時にも、笑顔と「おかげ様で」の気持ちを忘れないこと。
「おかげさま」に関しては、奈良東大寺の住職だった清水公照氏が、NHKの番組『あの人に会いたい』の中でも話していました。おかげさまというのは、日本人が生み出した素晴らしい言葉で、相手があってこそ自分があるという意味。「自分は生かされている」とう意味が含まれていると。
清水公照氏の動画の一部は上記リンクからも観れます。最後の「あるがままで、ええやないか」というところに落ち着いた、というところは特に心を軽くしてくれます。
また、小学校の教師になろうとしたけれども病気が原因でその夢を諦めざるをえなかった人に対して、こんな言葉もかけられています。
一生の終わりに問題になるのは、小学校の教師をしたとか、しなかったとか、ということではなく、自分にしか生きることができなかった、たった一度の人生をいかに生きたかということです。
ただ「生きる」のではなく、自ら「生きてゆく」ことの大切さを説かれています。
また、星の王子様からの引用もいくつか登場するのですが、その中のひとつに「砂漠が美しいのは、どこかに井戸を隠しているから」というものがあります。
砂漠が美しいのは、どこかに井戸を隠しているから。
表面に現れない「井戸」=「聖所(せいじょ)」をたいせつに育てよう。
自分の心の中に、自分を立て直す場所を持とう。
この聖所という場所は、自分の心の奥深くにあるもの。どれほど人に裏切られたり、いやな目にあっても、自分を取り戻して立て直すことのできる場所のことをいうのだそう。
そこは、孤独になれる場所であるのと同時に、ひとりでもさびしくない場所。ほかの誰にも邪魔をされない神聖な場所です。
こういう場所を自分の心に持って立て直すことができれば、気分が沈んだときの対処法となるでしょう。
渡辺和子さんはシスターですが、こういうときこそ、『マインドフルネス』が有効だと思いました。まさに心をしずめる、ですよね。
この他にもたくさんの素晴らしい言葉や考え方が載っていて、読んだ後に自然と笑顔になれるおすすめ本です。
マイ・インターン
ロバート・デ・ニーロ, アン・ハサウェイ 出演
私はつい最近まで知らなかったのですが、有名な映画のようなのですでにご覧になった方も多いのではないでしょうか。
私が翻訳した本『完璧になれない。だからいい』の中の一節に出てきたため、気になって観ることにしたのです(^^)
ちなみにアマゾンプライムなら無料で観れます♪
アマゾンの内容紹介より。
舞台はニューヨーク。華やかなファッション業界に身を置き、プライベートも充実しているジュールス。そんな彼女の部下に会社の福祉事業として、シニア・インターンのベンが雇われる。最初は40歳も年上のベンに何かとイラつくジュールスだが、やがて彼の心のこもった仕事ぶりと的確な助言を頼りにするようになる。そんな時、ジュールスは仕事とプライベートの両方で思わぬ危機を迎え、大きな選択を迫られ・・・
ロバート・デ・ニーロがシニア・インターンの役、アン・ハサウェイが、彼を採用する会社の経営者役。
必要なときに必要としている言葉を的確にかけてくれる、こんなメンターがいたらいいなぁと思いながら観てしまう映画です。
恋愛ものが描かれているのではなく、ふたりの間に生まれる強くてやさしい友情の物語。
働いている女性なら絶対に共感できるところがたくさん出てくると思います。一生懸命がんばっている自分を支えてくれる人や、気持ちを汲んでくれる人がいることの大切さも学べます。
個人的に、きっと何度も見返してしまうだろうなぁと思う映画です(^^)
次回の女子のための読書会、映画会
次回読書会:
10月17日(土)15:00-17:30
神保町 きっさこ
詳細とお申し込みはこくちーずプロのページから。
【今まで紹介された本や当日の流れ 】
女子の読書会はとても気軽であたたかい雰囲気で開催していますので、読書会というものに参加したことがない、という方もぜひ安心して一度遊びにいらして下さいね(^^)