
フランス人絵本作家 アラン・グレさんとの出会い<最終章> にある通り、リコベル とアラン・グレ さんとの独占契約は、日本ではPLAZA(旧ソニープラザ)さんとの契約(2012年まで)にまで発展しました。
2003年にグレさんと直接つながってから、彼のイラストを使ったグッズの商品化を常に考えていたのです。
私は昔からPLAZAさんのお店が大好きで、帰国の度に寄っていたのですが、ある時から「グレさんのグッズがPLAZAさんのお店に並んでいたら最高だろうな~」と思い描くようになりました。
きっかけはテレビ番組 – イギリス版マネーの虎
独占権を取得してまだまもない頃。何気なくテレビを見ていると、イギリスBBCの番組でなんとなく観たことのあるような番組が流れていました。
現金をドーンとテーブルの上に積み上げ、その奥に『投資家』と呼ばれる人たちが座っています。その人たちを前に、緊張しながらプレゼンをする人たち・・・
そして投資家から浴びせられる厳しい質問の数々・・・
そう、日本で昔放送されていた『マネーの虎』のイギリス版だったのです!
ほとんどの人が緊張でブルブル震えながらプレゼンをしている中、「何だこれは!?」と思うような奇抜なアイディアや商品を堂々とプレゼンする人もいます。テレビ的に面白いからオーディションは通過してくるものの、投資家からは当然のごとく断られて終わるのですが、それを見たときにふと思ったのです。
「有名な投資家を前に、ヘンテコなものを堂々とプレゼンしているところがすごい!」と(笑)(←失礼でスミマセン😅)
「私がこれから広げたいと考えているアラン・グレさんのイラストは、間違いなく素晴らしいものなのだから、思い切ってあの有名なPLAZAさんにオファーしてみよう!」
PLAZAさんにオファーしてみる
番組を観ているうちに、「オファーするのはタダなんだ!失うものは何もない!」という思いがこみ上げ、そのまますぐにパソコンに向かい、PLAZAさんのウェブサイトをチェックしました。日本語のページと英語のページの両方読むと、英語のページにのみ記載されている募集が!
当時のPLAZAさんは、バーバパパやスノーマンなど、5~6社のみのキャラクターを取り扱われていました。そのライセンシングビジネスを紹介する英語のページに、『私たちは常に新しいものを探しています!』という文字を見つけたのです。
この記載は日本語のページにはありませんでした。
そこで英語でメールを書き、グレさんのイラストを添えてPLAZAさんにオファーしたのです。
待つこと数日。
『とても興味があります』とのお返事が!!!
正直言って、オファーしたメールも、数多いお問合せメールの中の一つとしてスルーされる可能性が高いと思っていました。
なんと言っても、PLAZAさんは雑貨業界でトップ企業ですから。
メールを読み進めると、担当の方がパリにいらっしゃるので、その時にお会いしませんか?と書いてあります!
本当に本当に信じられませんでした!!
結果はどうなろうとも、とにかく会って頂ける。
このことが心の底から嬉しかったのです。
それまでパリは何度か訪れていましたが、あまり良い思い出がなかったのも事実。
ですが、この時だけは『なにか良いことがあるかも知れない!』とワクワクしながら向かいました。
お会いした担当の方はすでに様々な資料を用意して下さっていて、『これはもしかしたら本当に実現するのかもしれない』という予感が。
その後、日本でも再びミーティングをさせて頂いた時に現実化することを確信しました。
部署の方が何人もいらして、さらに部長さんの姿もありました。『これだけの方達が揃っていらっしゃるのなら、この話は契約まで進むのだろう」と感じたのです。
その予感通り、契約締結まで進むことが出来ました。
アラングレさんのデビューを銀座のPLAZAさんで行って頂いたことは今でも感動的に覚えています。
私にとってアイディアというものは、ひょんなところから降って来る感覚です。
ずーっと考えてもなかなか浮かばないのですが、そのことを考えていない、なんでもない時にふっと浮かんでくる。
そんな感覚です。
聞くのはタダ – 聞かなければ何も起こらない
何がきっかけになるのかは本当に分かりませんし、それが人生を大きく変えることかも知れません。
こういう感覚を常に研ぎ澄ませるためにも、心を常に開いていることは大切だと思います。
「聞くのはタダ」
この言葉を私はよく使います。
ダメもとで聞いてみて、その事柄が先へ進まなかったとしても、それは元の場所に戻っただけのこと。
聞いてみて失うものは何もない。結果ダメだったとしても、聞いたことでわかることもある。
結果はどうあれ、聞くことで素晴らしいものが生まれる可能性は十分にあるのです。
まずは何より、行動を起こすことからすべては始まります!
浮かんだアイディアからどんなに素晴らしいことが生まれるか分かりません。
「これかも知れない!」と感じたときには、どうか実行に移されてみて下さいね!